月別アーカイブ: 9月 2011

日弁連会長選に向けたマニフェスト

facebookの利用者がどんどん増えて,旧友とも久しぶりに連絡を取り合えるようになったりして便利になったと思う。facebook利用者の中にはプロフィール写真に自分だけではなく,複数名がうつった写真だったり,ハリウッドスターを使うなどしている人もいて興味深い。なかでも面白かったのが,男の友人のプロフィール写真が可愛い女性と一緒に映っているので,「結婚したの?」と聞けば,「いや,これは赤坂のhootersの写真だ」といわれたこと。 そんなSNSサービスがどんどん普及してきた感のあるこの頃ですが,今日からグーグル+が一般公開されて,私も登録してみたけれど,どうやって使ったらよいかわからない。グーグル+をお使いの方はどうぞ教えてください。 さて,本日の日経は47面(社会)から 「弁護士を書類送検 組長から債務者あっせん容疑」 東京の弁護士が,暴力団組長から多重債務者をあっせんし報酬を得ていた事件で,あっせんを受けた弁護士を非弁提携で書類送検したという。同弁護士はこのような非弁提携のあっせんを受けた動機について「事務所が赤字続きで違法とはわかっていたがひきうけた」という。これは(摘発の理由であるとしても)別に暴力団にお金が渡ったから違法というのではなく,弁護士が業務の紹介に関して弁護士ではない人間にお金を渡したから法律に違反するというものだ。 弁護士法は非弁提携の規制に関しては, (非弁護士との提携の禁止) 第27条 弁護士は、第72条乃至第74条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。 (非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止) 第72条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (非弁護士の虚偽標示等の禁止) 第74条 弁護士又は弁護士法人でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。 と定められている。 私くらいの経験年数でもこの仕事をしていると実に多くの世の中の非弁行為出くわす。私のもとにも非弁提携じゃないかと思われる提案が来たこともある。 幸い私も色々な知人に事件を紹介していただくことがある。先日は釈放になる被疑者が同房の人間についた弁護人が休暇ばかり取っていて動かないから私のことを紹介しておきました,紹介したら少しバックをくださいと当たり前のように話していたので,一喝した。その理由は,まさに弁護士法にひっかかるからだった。 一般の方々には,何かを紹介したら当然謝礼が来るという思い込みがあるようだが,弁護士業だけは,そのようなことは許されないので,この場をもって「事件を紹介していただいてもお返しはできません」ということをお伝えしておく。 また,非弁提携ではないが,弁護士法違反になりそうなので断ったことと言えば,事件の相手方にやたら気に入られた(?)のか,相談をうけ丁寧に回答していたら相談料を支払いたいと言われ,申し訳ないがと断ることもあった。とにかく,弁護士法というか弁護士業というのは意外に奥が深く一般の常識からすればよくわからないルールもあったりする。 最近は,弁護士が逮捕されるというニュースもよく聞くようになったが,今回の弁護士と同様共通して言えるのは,弁護士が金に困って違法行為に手を染めるということだ。業界不況は実に深刻だが,これはひとえに弁護士人口の増大だけでははく,非弁行為の蔓延により,普通に仕事していた弁護士の元に仕事が来なくなっているからかもしれない。 私は実はこんなでも,日本の法曹制度にかなりの危機感を抱いており,様々な意見があるのだけれど,あまり発言する場がないので,この場をもって非弁ビジネス撲滅に向けた提言をしたい。 まず,第一には,非弁行為に関する罰則の厳罰化(罰金の高額化)が必要であると思われる。 また,刑事処罰に適さない軽微事案についても,大幅に取り締まりを強化し,被害者に被害金などが返還されるような規制を強化すべきであると思われる。すなわち,非弁により高すぎる弁護士(?)費用というかコンサルティング料を支払った被害者たちの報酬返還請求などが裁判を通じて大々的に行われるべきである。 さらに,弁護士一人あたりの事務員利用数の制限なども検討されるべきである(世の中には1人の弁護士あたり事務員数が10名を超えるところもザラにあるが,このような業務形態が許されていること自体が非弁行為蔓延の原因に他ならない)。ただ,事務員取締りに関しては,その実態調査の方法など極めて困難な問題がある。 視点を変えれば,実は非弁行為について,やりたくないがやっているという可愛そうな若手弁護士がいるという点の対策も急務である。 登録間もない弁護士で,入所してすぐに事務所を辞める新人弁護士が数多くいるが,なぜ辞めたかを聞けば,事務所の慢性的非弁体質が理由であると聞くことが少なくない。確かに勤務弁護士は,勤務先が取り締まりにあっては,生活が成り立たなくなるが,このような事務所に入ってしまった新人弁護士を守ることのできる通報制度や支援体制が構築されるべきではないかと思う。 司法修習生の就職難も深刻となっており,お金に困った新米弁護士に非弁提携の甘いお誘いがくることが予想される。来年選挙となる日弁連会長選では,法曹人口問題とともに,非弁取締りの強化についても十分な議論をしていただきたい。 今日は台風で気が昂ぶっているため,熱く語ってしまいましたが,実は今日の日経新聞の見どころは,そんなニュース以上に44面にある幸福実現党の「復興支援とは『増税』ではなく『景気をよくする』こと」という1面全面を使った,妙にバブリーな意見広告じゃないかと思っている。いつの間にか党首が女性から男性に変わっていました。 勘違いされないようにお伝えしておきますと,私の支持政党は幸福実現党ではありませんし,もちろん日弁連会長選にも出馬できません。 タツゾー

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今日は日本文化体験イベントのご紹介です。

先週金曜日発売の「園芸ガイド 秋号」(主婦の友社)59ページから62ページにかけてうちの実家の庭が掲載されています。母から電話があって,「載っている写真は,服選びを失敗して膨張色で太って見えるし,逞しい腕があらわになっているので人には見せるな」と言われています。そういうわけで,皆様,書店で「園芸ガイド」をご覧になるときは,うちの母は実際にはもっと痩せて見えるので,そのあたりを割り引いて見て下さい。 先週の金曜日といえば,私は所属派閥の仕事で司法試験の霞ヶ関の合格発表会場にてチラシ配りをしてきました。会場には実にさまざまな人たちがいました。合格して泣く者,そうではなくて泣く者,就職説明会資料を配る法テラス関係者,司法修習給費制維持のチラシを配る日弁連関係者,合格祝賀会の案内とともに講座のパンフレットを配布する司法試験予備校の塾長や関係者など。思い思いに合格発表会場に集まる人々の表情を眺め,司法制度改革は完全に失敗だったということを実感しました。本当は色々思うこともあるのですが,ここで書くことはやめておきます。 ということで,話題を変えまして,今日は今週土曜に催すイベント「世田谷くーる」のご紹介です(タカタ社長みたいな導入ですいません)。 日本人の方も外国人の方も是非瀬田温泉にいらして下さい。参加申し込みは「世田谷くーる」HPの申し込みフォームまたは高橋までご連絡下さい。 二子玉川経済新聞にも取り上げられています。 「瀬田温泉山河の湯」は,とても広くて本格的な温泉ですので,イベント参加者は是非温泉に入っていって下さい。なお,私はイベント主催者のためイベント後には温泉には入りませんので,予めお伝えしておきます(そんなことはどうでもいいですね)。 そんな日本文化体験イベント「世田谷くーる」参加費は入湯料込みでたったの3000円! ジャパネットタツゾー

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アナーキー・イン・ザ・SHIBUYA ~防災の日コラム~

あっという間に9月に入ってしまった。今日9月1日は88年前に関東大震災,10年前に歌舞伎町の雑居ビル火災が起きた日らしい。 防災の日の本日は日経39面(社会)から ライブ店 ガソリン?まく 渋谷 殺人未遂容疑で男逮捕 昨日夜,渋谷区宇田川町にあるライブハウス「チェルシーホテル」でガソリンを撒いた23歳の男が現住建造物放火未遂及び殺人未遂で逮捕された。同被疑者は現行犯逮捕時に『殺してやる』と叫んでいたとのことで,警察の調べではガソリンをまいたと供述していると新聞記事で紹介されている。 このニュースを聞くと,かつて勉強した「放火罪における実行行為の着手時期」という刑法各論の論点をすぐに思い出した。 裁判例や刑法上の多数説によれば,ガソリンをまいた時にすでに放火の実行行為に着手したと言えるとされている。すなわち,ガソリンを撒くという行為は,状況によっては,放火の予備(準備)行為にとどまらず,放火行為を行ったと法律的に評価できるということだ。放火の未遂罪は予備罪に比べてはるかに法定刑が重いので,この論点は実際の事件にあたってはかなりの重大性がある。 木造家屋にガソリンを撒いた時点で実行行為の着手ありとし,点火行為以前に放火未遂罪の成立を認めた横浜地裁の昭和58年の裁判例の判決文を引用すると 「本件家屋は木造平家建であり、内部も特に不燃性の材料が用いられているとは見受けられず、和室にはカーペットが敷かれていたこと、本件犯行当時、本件家屋は雨戸や窓が全部閉められ密閉された状態にあったこと、被告人によって撒布されたガソリンの量は、約六・四リットルに達し、しかも六畳及び四畳半の各和室、廊下、台所、便所など本件家屋の床面の大部分に満遍無く撒布されたこと、右撒布の結果、ガソリンの臭気が室内に充満し、被告人は鼻が痛くなり、目もまばたきしなければ開けていられないほどであったことが認められるのであり、ガソリンの強い引火性を考慮すると、そこに何らかの火気が発すれば本件家屋に撒布されたガソリンに引火し、火災が起こることは必定の状況にあったのであるから、被告人はガソリンを撒布することによって放火について企図したところの大半を終えたものといってよく、この段階において法益の侵害即ち本件家屋の焼燬を惹起する切迫した危険が生じるに至ったものと認められるから、右行為により放火罪の実行の着手があったものと解するのが相当である。」 とされている。 この事件において,弁護人は,点火行為がないので現住建造物放火未遂ではなく,予備罪の成立にとどまると主張していたようだが,その主張は退けられている。 今回の事件もおそらく現住建造物放火未遂及び殺人未遂で起訴されるものと思われるが,その場合は裁判員裁判となる。今回の事件も放火未遂が認められるかが争点となる可能性がある。 何ゆえにガソリンを撒く行為を実行の着手として厳罰に処する必要があるかというと,このような揮発性が高く易燃性の物質が撒布された場合,近くに偶然火気があった場合には,たちまちガソリンに発火する危険があり,点火行為と同等の火災の現実的な危険があると評価できるからに他ならない。 昨日渋谷でガソリンを撒いた男は,警察の調べに対して「火を付けて人を焼き殺そうとした」と供述しているとの報道があるが,なぜこのような犯行に及んだのか,その動機が気になるところだ。 被疑者の住所は大阪のようだから店に恨みがあるとも思えない。犯行現場がニューヨークの著名なホテルの名前であることから,同ホテルで恋人ナンシーの自殺ほう助をおこなったシドの真似をしたのだろうかなどと思いを巡らせている。 動機は分からないが,少なくともこのような危険極まりない男は相当なアナーキー思想だったことは間違いない。被疑者が今何を考えているのかは分からないが,僕が当番弁護士で接見に行くようなことがあれば,動機をしっかり聞いて,こう言いたい。「君はまだ若い。決してNo futureじゃないぜ。」 それにしても,ガソリンに引火して大災害に至らなくて本当に良かった。 タツゾー

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