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提訴された場合のマスコミ対応について

この事務所も開所からそろそろ1年になるのだけれど,スタート時にイメージしていた「いつもアジアンタムの繁るオフィス」という目標はなかなかうまくいかず,アジアンタムを買い続けて,枯らしたアジアンタムの数はもう数えきれない程になりました。開所当初は当職も暇で暇で,ブログも頻繁に更新できたのだけれど,最近は何だか仕事やら付き合いが多くてブログの更新もおろそかになっています。 さて本日の日経は39面(社会)より DeNAのゲーム供給妨害 グリー・KDDIが提訴 SNSゲーム大手のDeNAが取引先のゲーム開発会社に他社のSNSにゲームを提供しないよう圧力をかけたことにより損害を被ったとして,同社を被告としてグリーが9億円,共同してサイトを運営するKDDIが1億5000万円の損害賠償請求訴訟を提起した。この提訴についてグリーは「DeNAの行為はインターネット業界に大きなマイナスの影響を与えている」と主張している。そしてお決まりのごとく被告のDeNAは「訴状を見ていないのでコメントできない」とマスコミ対応している。 訴え提起から訴状が被告に届く(送達される)までには,裁判所の部へ配点を経て,担当係の決定,裁判所書記官による訴状審査(誤記などのチェック),原告との期日調整を経るため10日くらいはかかるのが一般的だ。 裁判が提訴され原告により記者会見がされた場合には,マスコミは決まって被告に取材をすることになるのだが,被告からは,お決まりの「訴状を見ていないのでコメントできない」という回答を得ることになる。 そもそも,被告は訴状の内容をすべて見たとしても,マスコミに自らのコンフィデンシャルな情報を公表する必要はないので,「コメントは差し控える」と回答すればいいのだけれど,日本では「何か問題が起きたらしっかり説明しなさい」という風潮が強いので,説明はしないなどというコメントをしたら最期,世の中からは,やはり疾しいことがあるのだろうという悪評も生じかねない。 そこで,やはり被告となった者は何らかの対応をせざるを得なくなり,発明されたのが「訴状が届いていないので,,」という常套句だ。 おそらく多くの会社は,顧問弁護士などにこういった場合のマスコミ対応はどうしたらいいか,と指南を仰げば,「まあ訴状が届いていないのでコメントできない,と回答しておきなさい。訴状が届いたらうちの事務所に来なさい」という対応になるものと思われる。 とはいっても,マスコミも何十年もこの意味のないやり取りをするのは,面白くないので,これからは少し聞き方を変えたらどうだろうか。 例えば「○○社の提訴を受けまして,当然,訴状はまだご覧になっていないかと思いますが,この裁判についてどうお考えですか?」と聞いてみる。 このように聞けば,「訴状を見ていないのでコメントできない」というお決まりの回答は封じることができる。 この問題は聞く側にも問題があるけれども,答える方ももう少し違う回答しても良いのではないかと思う。 そういうわけで今日は世田谷区の若手弁護士が満を持して,もう少し機知に富んだマスコミ対応について提案することにする。会社法務部の方は参考にしていただきたい。 訴えられて,世間から批判のまなざしを向けられることを避けたい場合には, 「困りましたね。ちょっと勘弁していただきたいです」というような同情を誘うコメントや, 「この事件を破格で受任して,しかも勝訴してくれる弁護士事務所があったら至急当社法務部までご連絡ください」 と援軍を求めるのもかなり効果的だ。 他には, 「訴状を見ていないのでコメントできないので,訴状を見たいので原告にFAXするよう○○新聞さんから言ってもらえませんか」 という裏を突く回答も悪くはないが,こんなことを言った暁には 「訴状を見た段階ではコメントをいただけますか」とマスコミに返され,これは大変に困ったことになるので没。 今回のDeNAに関してアドバイスするとすれば, 「野球に打ち込もうと思っていたところに裁判なんて,本当にやめていただきたいです。決着はコートではなく,グラウンドで決めたいです」 とか, 「横浜がホームなので横浜地裁に訴えて欲しかったです。」 という対応により,この裁判を機に,一気にベイスターズファンやモバゲーの会員を獲得するというピンチをチャンスに変える作戦を提案したい。 この作戦により,DeNAは訴額を上回るくらいの収益を上げることもできるかもしれない。 こんなアドバイスしかできない弁護士ではそうそう依頼は来ませんね。 それでも何とか1年間潰れずにやってきましたので,2年目からも時々更新していきたいと思いますので,今後ともこのブログをよろしくお願いします。 タツゾー

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