月別アーカイブ: 1月 2012

俺にはなんだってわかるけど,大人は判ってくれない

今年に入ってからずっと雨が降らず乾燥して困っていたが,久しぶりに雨が降ってみれば,とは言いながらも雨よりは晴れのほうがいいな,と思ったりします。 さて今日の時事ネタは,東京新聞夕刊1面(社会) 児童虐待 厚労・文科省に改善勧告 総務省指摘 未通告や大幅遅れ 総務省は,保育所や小中学校で,虐待を疑いながらも児童相談所に通告しなかったり対応が不十分な事例があるとして厚労省及び文科省に改善を勧告したという。以前文科省は平成22年8月に保育所や学校に対し,虐待の確証がない場合でも児童相談所に通告するよう都道府県教育委員会に通知していたが,教育現場は「虐待の確証が得られなかったため」通告までに1ヶ月以上の時間がかかっている事例が多くあったことから今回このような異例の勧告に踏み切ったようだ。 児童虐待といえば昨夜は園子音監督のヒミズを観に行ってきた。(*今回は法律の話は一切ありません。また,適当なことを書いているので大丈夫かと思いますがネタバレだと言われても困ります) 主演の染谷将太が,実父からひどい虐待を受ける場面のある映画なのだが,染谷氏は本当に素晴らしい俳優で,演技力・運動神経・表現力すべてが群を抜いている。映画デビュー当時の窪塚をかるく超えており,前作の「嘘つきみー君と壊れたまーちゃん」の時よりもさらに成長し,素晴らしい演技だった。ちなみにこの映画には窪塚氏もでていて,なかなか光っていた。また,この映画には二階堂ふみというヒロインがいるが,こちらも凄い演技でパッチギの沢尻エリカを上回る衝撃だった。 この映画は,漫画原作のようだが,東日本大震災後の津波の被災地の姿が映され,その映像も監督の趣向と思われるいくつもの映画からの影響があって多くの漫画原作映画とは異なる魅力がある。 たとえば,主人公の染谷氏が顔に絵具(ペンキではない)を塗るところからは,「気狂いピエロ」を連想せざるを得ないし,堤防を走る15歳の少年の姿からは当然に「大人は判ってくれない」を思い出させずにはいられない。 しかし,この映画のピエロ少年はダイナマイトを持っていないし,ペンキではなくて絵具を塗っているにすぎないところ,川の堤防には終わりはなく,少年は行き止まりにぶつからないところ,そして何より「気狂いピエロ」のアンナ・カリーナならぬ二階堂ふみが最後までピエロに付き添っている点で,両作品との決定的な違いがあり,その終わり方が,商業主義で時代迎合的な嫌いはあるけれども,現代的で,感動的だ。私は,この映画は決して良い出来とも思わないが,そこかしこで自分が触れる現代日本のダークな部分(犯罪)やリアルな側面を見てしまう点で,今年上映されるであろうどの邦画作品よりも観る価値があることは間違いない思う。 「気狂いピエロ」が爆発しても,「大人は判ってくれない」のアントワーヌ・ドワネルの未来に希望が見えなくとも,観客たちは他人ごととしてその作品を自然と受け入れられた。今この日本で少年を描く映画をつくるとすればそんな終わり方はできないだろうし,もうこの国では,震災を無視した内容では現実味を欠いてしまっているとまで言えるのかもしれない。時間とともに人々の求める映画が変わるのは当然のことだから。 この映画では「児童虐待」「通り魔」「無差別殺人」が一つのテーマになっているが,恐ろしいことに,そのようなことが本当に日常的になっている。10年後はさらに酷い社会になっているかもしれない。そうすれば,もう微かな希望なんて描いても,この「ヒミズ」以上に嘘っぽくなってしまうだろう。そうしたら,もう青春映画なんて作らないほうがいいのではないか,と心配する私は少し考えがおかしいのだろうか。 オチもなくすみません。 タツゾー

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食べログへの想いを語る

年末はバタバタ忙しかったが、新年になってからの仕事といえば、もっぱら年賀状の返送と飲み会の誘いとお店の予約でした。幹事さんのお店選びに便利なのが食べログというサービスで、これは某価格比較サイト運営会社のグルメサイトでユーザー達の5段階評価でお店の点数を付け口コミや写真も掲載しているお店選びに便利なサイトです。えっ、皆さん知ってましたか!? そんな今日のテーマは今巷を賑わせている食べログのやらせ業者騒動だ。 何でも、食べログで点数が上がるとお客がわんさか入るということで、食べログ運営会社に許可なくアクセス数や点数を伸ばしてランキングを上げることなどを有料で請け負う業者が39社も発覚しており、食べログ運営会社はやらせ業者らに対し不正業務の停止を求めており、提訴も検討しているという。 法律の専門家によれば、このような不正業者の行為はサイト運営会社に対する偽計業務妨害を構成する可能性があるとのこと。一般のSEO(検索エンジン内で作為的に順位をあげること)とそこまで違わない気がするのに犯罪にもなるのか、と衝撃を受けた方がたも沢山いるのではないかと思う。もちろん、不正業者だけでなく店舗自身がこのようなランキング操作について食べログの許可を得ていないという認識があった場合には、共犯となる可能性もある(とは言っても刑事の立件をするかというと私は消極かなと思っている)。 SEOと異なり、なぜこの食べログ評価の作為的上昇が許されないかというと、根本的な問題は、運営している者の許可を得ずに利益を上げていることによる被害感情の大きさと、googleやyahooなどの検索エンジンと異なり、食べログはあくまで一企業のプライベートなフォーラムであるからではなかろうか。イメージ的には、池尻大橋駅前の道路上で焼き芋を売っていてもあまり注意されないが、私の事務所のあるビルのエントランスで焼き芋を売るとすぐに管理人に怒られるという違いと思えば良いかもしれない。 なおこのやらせ業者の行為によって食べログ運営会社に財産的損害が生じているか否かは、抽象的危険犯と解されている業務妨害罪の成立とは関係がない。 私なんて本当に食べログにお世話になっていて、食べログの点数というのを結構信頼している。食べログでの点数が4点に近いお店だとなかなか予約がとれなかったりするが、行ってみるとまあそれなりに美味しかった気がする。そういえば私は食べログには色々と思い入れがある。 私が点数以上に見るのが、平均利用金額というもので、いつか仲の良い女の子を連れて行こうと思った寿司屋があったが、一人あたりの平均予算15000〜19999円と書いてあって泣く泣く断念したことがある。食べログさえ見ていなければ私の人生も違っていたかもしれない。また、私はあまり行くほうではないが、いつか先輩に合コンに誘われた時には、予約された店を食べログで見てみると、平均利用金額が10000-14999円とか書いてあって相手が後輩の女の子だっていうから、支払いが3万円くらいになるんじゃないかと思って、財布に2万円だけ入れてビクビクして行ったことがあったが、先輩がほぼ全てもってくれたので胸をなでおろしたことがある。 そんな私も最近まで食べログはお金を支払ったりすれば点数を上げてもらえるに違いないと勘違いしていたほどで、今回のこのような不正業者問題の公表は私のような勘違いをしている人々に対するメッセージ的な側面もあるのかもしれない。 不正に店の評判を上げるということは、利用者にサービスについて誤った情報を提供するものであって、昨年のグルーポンおせち問題でも問題となった不当景品類及び不当表示防止法4条の問題もあり、消費者庁が調査に乗り出したという報道もある。ちなみに、このいわゆる景表法の4条は  事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一  商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの (なおグルーポンの時は2号の問題) と定めている。 今回のケースで言えばやらせ業者に依頼して、クチコミを上昇させたお店運営者も消費者庁から、中止の措置命令や公表などがされることもありうるのではないかと思われる。 法律事務所の広告も大したことないのに、さも凄そうな広告謳っている事務所も結構多く、感心してしまう程である。あとは依頼者の声なんかもホームページに載せているところが多いが、私は恥ずかしくて載せることができない。最近、やたら私を褒めちぎる依頼者が何人かいて、それはそれでありがたいけれど、あまりにオーバーなほめ方でそれこそやらせっぽくて転載できない。 私が事務所のホームページなどであまり自分を大きく見せようとしていないのは、基本的には依頼者の方々にアジアンタム法律事務所を優良誤認しないでいただきたいという想いからです。HPの写真も決してよく撮れているものではなく、お正月に実家に帰ると母から「ブログの写真が悪いから私が100枚くらい撮ってあげる、100枚くらい撮らないと良いのは撮れない」などと言われたのですが、消費者庁が怖いので断りました。 ただ、実物はもう少しいいんですよ。 とりとめもなく書いてしまいましたが本年もどうぞろしくお願い致します。 タツゾー

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