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もう監視なんてしない

私ごとながら、先週はお誕生日ウィークで毎日皆様にお祝いしていただき、感謝感激の毎日でした。仕事がバタバタしているのに加え年度末も重なり毎晩付き合いが多くブログの更新が滞ってしまいました。 さて、本日は東京新聞1面。集会監視は人格権侵害 全国初 仙台地裁 自衛隊側に賠償命令  自衛隊の情報保全隊がイラク派遣に反対する市民集会を監視したのは憲法違反にあたり精神的苦痛も受けたとして損害賠償を請求した事件に関し、仙台地裁は、自衛隊の情報保全隊の監視により集会に参加した市民の人格権を侵害したとして精神的損害に関する慰謝料として原告5人に合計30万円の支払いを命じた。一方で監視行為の差し止めは却下されており、おそらくは原告被告ともに控訴をすることになると思われる。 本件について、問題の本質が公権力による情報収集にあるのか表現の自由に関する間接的な侵害にあるのかは判断がつきにくいところだけれども、公権力による個人情報の収集は、正当な目的のために正当な方法で収集する場合には違法とはならない。公権力が個人の人格的自律に関わらない単なる情報(外延情報、外的情報)の収集自体は日常的に行われているものだ。しかしながら、センシティヴ情報の正当な理由のない収集や、センシティヴ情報でない外延情報であっても不当目的収集は許されないし、収集後悪用がされるとすればそれは個人の尊厳から派生する人格権を侵害するものとなる。 本件のような集会参加というのは、表現の自由により憲法上厚く保障されており、その集会参加が政治活動としての側面があるとすれば、それは個人にとってはセンシティヴな情報であり国家権力から監視されることにより、個人の尊厳を侵害する。この点について裁判所は、監視対象の情報の利用目的や、情報収集の必要性について被告の立証がなく、結果として自衛隊が市民集会を監視することは、まさに公権力による自己情報をコントロールする権利を侵害するものであり違法となると判断した。国による集会の監視行動を違法としたのは初めての判断のようだ。 なお、損害賠償請求は認めた一方、監視行為の差し止めを却下した判断には疑問が残る。差し止め請求を却下した理由の骨子は、差止対象行為の特定が不十分であるということが理由のようだが、監視行為を違法と判断し不法行為を認めている以上、対象特定は十分だと思うし、今も人格権の侵害状態が継続しているのであれば、監視行為による違法状態を排除する命令を出すべきであるかと思う。どちらかといえば、侵害状態が継続していない、という点で棄却とすべき事案なのではないかと素人的には思ってしまうのだけれど、これは勉強不足だろうか。 とにかく、差し止めが認められなかったとしても、監視が違法であるということが示された以上、自衛隊は集会の監視を続けることはできなくなっただろう。 そんな一躍有名となった自衛隊「情報保全隊」にはマッキーという隊員がいるとかいないとか。 敗訴判決が出た昨夜、駐屯地の宿舎からは「もし原告にひとつだけ強がりをいえるなら、もう監視なんてしない、なんて言わないよ、自衛隊♪」 とマッキーの歌声が聴こえてきたそうな。 タツゾー

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