月別アーカイブ: 12月 2012

お酒代を弁護士業の経費にしたい!

11月末をもってアジアンタム法律事務所も開所2周年で12月から3年目を迎えた。この2年間は仕事が多すぎるということもなく、暇すぎることもなく、これからもこのくらいの仕事量で続けて行きたい。最近は知り合い皆から、タツゾーは弁護士なのに毎日酒を飲んでいる、と言われるが、別に仕事がないから飲んでいるわけではないし、仕事をサボって飲んでいるわけでもないし、そもそも仕事してないとこんなに酒を飲めるわけないんだから全然悪いことじゃない、と思う。 ところで、私の尊敬している弁護士の師匠は、ほとんどお酒を飲まない方だけど、その師匠は寝ている時も受任している事件のことを考えていて、夜、ハっと目を覚まし、PCに向かって準備書面の起案を始めてしまうことがある、と以前言っていた。 私も弁護士なりたてのころ、ほとんどお酒を飲まずに、寝ている時に事件のことを思い出して起きてしまうことがあったが、お酒を飲み始めてからというもの全くそういうことはなくなり、精神衛生は非常に良好になっている。そういう意味では、ワークライフバランスを保つためにお酒は必須アイテムとなっている。 また、最近、夜になって頭や体が疲れてくることがあり、「家に帰るかどこかに食事に行きたい!けど、どうしても書面を書き上げたい!」というときに、外に遊びに出ないようにするために、事務所でワインを開けて飲み始めることがある。これは、私の日中の仕事の邪魔をしている雑念を吹き飛ばし、起案を進めるのにかなり有効な手段となっている(飲んだまま最終原稿を仕上げるわけではない)。ただし、急に依頼者と面談する可能性のある17時より前には使うことができない。 そういう意味で、私にとってお酒を飲むことは、仕事の悩みから精神衛生を健全に保つためにも、雑念を振り払って仕事に打ち込むためにも、弁護士業務を行なっていくのに必須の営みになっていることは間違いない。 それに加え、外でお酒を飲むことは営業になるかもしれないし、人と話して勉強になるかもしれないし、飲食をすることは仕事の一環だと思っている。そのように公言する大先輩も多く知っている。 ただ、実際には、私は外で飲食をしても仕事を頼まれることはないので営業にはなっていないし、最近では経営を逼迫し始めている感もある。このあたりを今後どう変えて行くかが当事務所の3年目の課題となる。 前置きが長くなったが、今日の時事問題は、東京新聞26面(こちら特報部)より 「競馬に勝手大損!? もうけ1.4億円6.9億円課税」 三年間のうちに約28億7000万円の馬券を購入して約30億円の配当金を得て最終的に約1億4000万円程度の黒字になった大阪市の会社員が、大阪国税局から当たり馬券の購入費約1億円だけが配当金から差し引かれる経費とされ、29億円が一時所得として所得税の対象になると認定され、追徴課税を課され、告発ののち刑事裁判になっているとのこと。 この大阪国税局の解釈により確定申告をしていなかった男性は国税局より所得税5億7000万円を脱税されたとして大阪地方検察庁に告発され、2011年2月に在宅起訴されている。この件で、男性は約6億9000万円追徴課税されているらしい。 この事件において、弁護側は、男性は業務として馬券を購入し続けており、これまでに購入した外れ馬券の購入代金は全て必要経費に含まれるので、馬券購入費も課税標準から差し引かれるべき、と主張しているようだ。つまり、この男性にとって、競馬の当たりによる配当金収入は「一時所得」ではなく「事業所得」であり必要経費の控除が認められるべきだ、という主張をしているらしい。 一時所得に関して控除が認められる経費は、一時所得に直接要した金額にかぎられるというのが所得税法の定めであるため、外れ馬券は必要経費とは認められないようだ。 一時所得について定めた所得税法第34条 Ⅰ一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。 Ⅱ 一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。 私もこの事件については、男性が5億7000万円の税金を負うべきではないし、この件で5億もの高額の脱税をしたということで有罪になるべきではないと思う。とは言っても、馬券を買う頻度によって、配当金の性質が変わるという解釈が妥当なのか、事業所得について業種を列挙している法の解釈を超えて、ギャンブル収入を事業所得として認める解釈が租税法定主義に反しないのか、非常に難しい問題だと思う。 ちなみに、所得税法27条1項  事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。 政令で定めるもの(その他対価を得て継続的に行う事業)に競馬業が含まれるとも思われない。 そういえば、私は昔事務所のアシスタントをしてくれていた友人と食事をすると、翌日新規案件が舞い込むというジンクスがあり、事務所の売上向上のため、時々その座敷わらしの友人を接待しているが、接待交際費として経費参入できないハズはないと思う。 ちなみに、私は一時所得を得ているわけではないので、収入を生じた原因に直接要したお金でなくても経費に入れられるはずなので、これからもどんどん、潜在顧客の友人たちを接待交際したいと思う。できれば、事務所で飲んでいるお酒代も、私の業務能率の向上に寄与しているので、是非とも必要経費として認めて欲しいんだけど、世田谷税務署さんどうでしょうか? アル弁と言われることが多くなった私ですが3年目もよろしくお願いします。 タツゾー

カテゴリー: 特集 | タグ: , , , |