春にして僕は想う

今週から私のいわゆる弁護士業務の繁忙期が去った。そのため、ランチで自宅に帰ったりすることも多い。最近はスープ作りが趣味になった。暇な日はそのまま食後に紅茶をすすりながら、窓から見える公園にある満開の梅の下で戯れるちびっこを眺めながら、ああ、弁護士の仕事がないとはこうも穏やかなことなのか、とほのぼのしている。今日は近所のおばあさんの家にお昼を食べにいっていたが、戻っても我が事務所は平和だ。憲法9条の賜物だろうか。

午後3時。事務所に戻る、するとチャイムが。地元の信用金庫の行員が定期積金の集金にやってきた。あー、お金用意しておくの忘れていた、と事務所の下の三菱のATMで3万円を下ろし、お姉さんに渡して、積金手帳にスタンプを押してもらってまた来月。これはいったいどういう商売なんだろうか。うちの事務所も始めようか、などと考えてコーヒーを啜る。

午後4時。何か郵便物でも来ないかな〜、とポストに降りていく昼下がり、ポストには何もない。そう我が事務所は普通郵便が届く時間が遅い。これはかなり業務上不利であると思っている。

午後4時半。再度ポストに郵便物チェック。唯一の郵便物である第一法規社からのゆうメール。開封すると新刊された「弁護士 転ばぬ先の経営失敗談」。
執筆者への献本はいいが、ちょっとこのタイミングは冗談きついぜ。
一気に読了。

ここで高橋の頭に成仏理論という言葉がよぎる。
成仏理論とは高名な民事訴訟学者が唱える、大要「問題の捉え方がそもそも間違っている。食べていけるかどうかを法律家が考えるというのが間違っているのである。何のために法律家を志したのか。私の知り合いの医師が言ったことがある。世の中の人々のお役に立つ仕事をしている限り、世の中の人々の方が自分達を飢えさせることをしない、と。人々のお役に立つ仕事をしていれば、法律家も飢え死にすることはないであろう。飢え死にさえしなければ、人間、まずはそれでよいのではないか。その上に、人々から感謝されることがあるのであれば、人間、喜んで成仏できるというものであろう」という職務スタンスに関する有力説。
そういえば、うちの事務所には頂き物の酒とお菓子は溢れている。今日も後輩弁護士からシャンパンとワインが届いた。

午後6時。久しぶりにこのブログを書き始める。
さて最近の時事問題といえば、と東京新聞1面をめくると「格差論争 対立鮮明 岡田代表 「貧困率拡大」「富の再配分」 安倍首相「変化はない」「機会の平等」衆院予算委」の見出し
うーん、そういえば、最近トマ・ピケティの来日もあってピケティ・ブームのようだけど、キャピタルの日本語訳本は訳本というよりは著者の解説本らしい。「富の再配分」とは最近よく言われるが、いつぞや首相は、日本はまだ格差は大したことない、ピケティもそう言ってる、と話していたが、来日してピケティのインタビューみたらそうでもないらしい。おそらく本の都合の良い断片だけ教わって、とりあえず言ってみたみたいなところだろうが、こういうのは私も結構あるので耳が痛い。

自分も弁護士になって丸五年が過ぎ、弁護士会の委員会などもお誘い頂いているので、時間の許す限りは自分がメンバーになっている会議には出ている。しばらく前は若手の急先鋒として頑張っていた気がしていたのだけれど、数年ぶりに会務に出るようになると、後輩の先生方もバリバリと活躍し、会議でも発言力を増している。今週は弁護士業こそ忙しくなかったが、会務活動以外にも、ボランティア関係の野菜の栽培計画を立てて計画表を作成したり、先輩弁護士の開所パーティーに行って昼間から飲みながら蜷局をまいたりして、それでも結構バタバタしていた。また、近々行う元アスリートのインタビューに向けて何冊か著書を読んでみて、とりあえず弁護士業以外のことや自分ではない弁護士のマーケティング戦略を立てている。

ここのところ弁護士会の会務もでていると楽しく感じることもあるのだが、なんでこんな無駄なことを始めようとしているのか、とか、議論しているのだろう、と思うこともあるが、ここでは立場上書けない。
ところで、今年から新人弁護士のクラス別研修の担任にもなってしまったので教材を眺めていると、え、マジか!みたいに仰天している。電話のとり方の作法、電話の終わり方の作法、相手と面談するときの心構えなど、色々勉強になることが多い。はあ、指導担当辞退できないものか。
弁護士会の活動としてクラス別研修は良いと思っているけれど(自分が指導担当であることを除いて)。

午後7時。再び、東京新聞に目を移す。
『首相、在任中改憲に意欲  発議時期・内容 「自ら最終判断」』
記事によれば改憲の国会発議は来年夏の参院選後が望ましいと考えているとのことだ。

と、なると、来年夏くらいまではうちの事務所も暇ということだろうか。
平和は良いなあ。南無阿弥陀仏。

タツゾー

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