タグ別アーカイブ: 最高裁

チカゴロすこし地球の判事に飽きたところよ♪

先日は大学の同級生の結婚式で懐かしい友人と再会して、ブログ読んでるよ、と言われ少し嬉しかったです。 さて本日の時事問題は、東京新聞夕刊8面(社会)より 著名人のパブリシティー権 無断使用、正当な場合も  最高裁判所は、持ち歌UFOなどの振り付けをダイエット法として紹介した週刊誌「女性自身」においてピンクレディーの写真14枚を許可なく掲載したとして、ピンクレディー(原告は個人か)が出版社にパブリシティー権を侵害されたとして出版社に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、「著名人については肖像の使用を正当な表現行為として受任すべき場合もある」との初判断を示し、請求棄却としたピンクレディーの敗訴判決が確定した。 この事件で侵害されたとされるパブリシティー権というのは、俳優やスポーツ選手などの著名人がその名称や肖像に伴う経済的利益を独占的に支配できる(他者による名称、肖像利用による経済活動を差し止めたり、侵害された場合に損害賠償請求ができる)権利のことで、「人」のもつ顧客吸引力を保護する権利である。このパブリシティ権というのは法律の明文の根拠があるわけではないが、日本では映画の場面をCMに無断で使われたとして、映画「小さな恋のメロディ」の主役として有名な俳優マーク・レスターが広告主に損害賠償を求めた請求が認容されたマーク・レスター事件で判例上認められるようになった。 最近では、元サッカー選手の中田英寿の生立ちなどを書いた書籍の出版社に対し、販売差し止めと損害賠償請求をしたいわゆる中田英寿事件が有名だが、この事件においては、プライバシー侵害に基づく損害賠償は認められたものの、パブリシティー権侵害による販売差し止め、損害賠償は認められていない。同裁判例において、パブリシティー権侵害の争点に関して、以下のように判示している。 固有の名声、社会的評価、知名度等を獲得した著名人の氏名、肖像等を商品に付した場合には、当該商品の販売促進に有益な効果がもたらすことがあることは、一般によく知られているところである。そして、著名人の氏名、肖像等が持つ顧客吸引力について、これを当該著名人の獲得した名声、社会的評価、知名度等から生ずる独立した経済的利益ないし価値として把握し、当該著名人は、かかる顧客吸引力の持つ経済的価値を排他的に支配する財産的権利(いわゆる「パブリシティ権」)を有するものと解して、右財産権に基づき、当該著名人の氏名、肖像等を使用する第三者に対して、使用の差止め及び損害賠償を請求できるという見解が存在する。 しかしながら、著名人は、自らが大衆の強い関心の対象となる結果として、必然的にその人格、日常生活、日々の行動等を含めた全人格的事項がマスメディアや大衆等による紹介、批判、論評等の対象となることを免れないし、また、現代社会においては、著名人が著名性を獲得するに当たり、マスメディア等による紹介等が大きくあずかって力となっていることを否定することができない。そして、マスメディア等による著名人の紹介等は、本来言論、出版、報道の自由として保障されるものであることを考慮すれば、仮に、著名人の顧客吸引力の持つ経済的価値を、いわゆるパブリシティ権として法的保護の対象とする見解を採用し得るとしても、著名人がパブリシティ権の名の下に自己に対するマスメディア等の批判を拒絶することが許されない場合があるというべきである。  したがって、仮に、法的保護の対象としてもパブリシティ権の存在を認め得るとしても、他人の氏名、肖像等の使用がパブリシティ権の侵害として不法行為を構成するか否かは、具体的な事案において、他人の氏名、肖像等を使用する目的、方法及び態様を全体的かつ客観的に考察して、右使用が他人の氏名、肖像等の持つ顧客吸引力に着目し、専らその利用を目的とするものであるかどうかにより判断すべきものというべきである。(以上判旨)。 パブリシティー権侵害の成否はその使用目的や態様が、そのパブリシティー権を有する人の顧客吸引力という経済的利益を、表現者が横取りするような使われ方か否かということで決まるものだ。例えば、ピンクレディーの振り付け写真が振り付け本の表紙として無断で使われたり、袋とじカレンダーとして無断で使われていれば、損害賠償や販売差し止めも可能なのかもしれない。 ところでスポーツ等のゲームソフトで実在する選手の名前やそれを少しだけ改変したものが使われても大丈夫なのは、それが当人またはその所属団体から許可を得ているため、もしくはその名称使用の態様が、当該人の顧客吸引力を横取りするものとは言えないからに他ならない。なお、なお、このパブリシティー権というのは人格権を根拠とするものと考えられていて、裁判例上、人のみに認められているもので、物(動物)に関するパブリシティ権は認められていないとされている(競走馬の名前を勝手に使用されたとして馬主が損害賠償請求をしたいわゆるダビスタ事件)。 今回の裁判でUFOの振り付けの写真を無断掲載されて、1審、2審、3審と損害賠償を認めてもらえなかったピンクレディーの二人は、地球の裁判官にはもうこりごりと思っているに違いない。今回の最高裁判決で、ダイエット本などで若き時代のピンクレディーの振り付け写真が掲載された場合でも、ピンクレディーは正当な表現行為として受任すべき(損害賠償も差し止めも認められない)という判断がでてしまったので、再びこのような書籍に無断掲載がされても打つ手がなくなった。 司法の場でピンクレディーのパブリシティーが保護されないとなると、あとはもうペッパー警部になんとかしてもらうしかないでしょう。 タツゾー 追記  ピンクレディーは復活しているそうで、陰ながら応援しています。ところで「ペッパー警部」と「サウスポー」の作曲家であり現在JASRAC会長の都倉俊一さんはこころ音プロジェクトという復興プロジェクトをおこなっているそうで、この2曲をカラオケで歌うと著作物使用料が震災復興に充てられるのだそうです。

カテゴリー: ブログ, 社会 | タグ: , , , , |