業法違反について考える

今年の初め頃、弁護士バーという店を開業しようとした弁護士が所属弁護士会から中止を求められるというニュースがあった。
弁護士会がそのバーの中止を求めていた理由は、弁護士を紹介することの対価が支払われてしまう、いわゆる営利目的での弁護士紹介の温床となるということだった。

これに対しバーテンダーの弁護士は、弁護士自身が客と話し接客し、バーでの法律相談は行わない、と反論しバーをオープンさせた。
その後バーが流行っているという話も聞かないが、つぶれたという話も聞かない。*追記あり

弁護士法や職務規程に違反するかは、その店に行ってみて、実態を調査しないとわからないのだろう。
かといって、弁護士バーに反対論者が、「どれ、弁護士バーとやらに行ってみよう」と腰を上げて実態調査を行ったとも思えない。
とかく弁護士法違反の問題は、定着した解釈があるわけではなく、現在も司法書士や行政書士などの他士業の職務の管轄問題が各地の裁判でも争われているところからもわかるように、非常に難しい問題である。

本日は、士(さむらい)業の業法に関するニュースについて一言。
38面(社会)から。
「無資格で家系図 逆転無罪」
「行政書士法違反事件 作成、観賞用は適法 最高裁判決」

この事件は、家系図6通を作成した医薬品販売業者である上告人が「行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第1条の2に規定する業務(事実証明に関する書類を作成する業務)を行うことができない。」
と定める行政書士法19条1項に違反したとして起訴され、一、二審において有罪とされていた事件の最高裁での逆転無罪の判決。

無罪判決を導いた論理は、
上告人が作成していた家系図が桐の箱に入れられた和紙の巻物であり、観賞用、記念品として作成を依頼されたものであるので事実証明目的の文書にあたらない。
というものだ。

この行政書士法違反事件に関しては、その提供サービスにおける主目的は何か、顧客は何に価値を求めて対価を支払ったのかという点が重要なのだろう。

このような論理からすると、弁護士バーがどんなにお金をとっても、バーの提供するサービスが良質であれば、そのお金が弁護士紹介の対価ということにはならないのだと思う。
ただ、食べログを見る限り、総合評価が3に満たないから、バーとして良いサービスを提供しているのかは疑問のようだ。
この弁護士バーのみなさんには、頑張ってサービスの質を向上させ、素晴らしいお酒を提供し、弁護士法違反とはだれも思わないようなバーになってほしいと思うのです。
食べログの評価がもう少し良ければ、私もちょっと行ってみたいのだけれど。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13109316/

辰三
*******************************
追記
弁護士バーは既に閉店しているようです。
行っておけば良かったです。

関連記事

カテゴリー: 社会   パーマリンク