もし私が菅首相の弁護人になったら。

先日,国選弁護でやくざの被疑者の示談交渉に行ったところ,被害者から「なんでこんな悪い奴を守るんですか,それが仕事だからしょうがないんですか」と聞かれた。
世の中には嫌われ者がいる。ホームレス,やくざ,そして去っていく総理大臣。

嫌われている人びとも,皆とても愛すべき一面を持っていたりするものだ。

今日で震災発生から早5か月。とうとう菅首相も今月末をめどに退陣をするとのこと。
テレヴィや新聞では,菅首相は総理大臣の地位にしがみついてみっともない,首相としての能力云々ではなく人間としてどうかしているとか,様々なバッシングを受け,盟主からもペテン師と呼ばれるなど一般的評価はガタ落ちになってしまっているが,私の意見は少し違う。
震災発生直後から,菅首相には,半端ではないバッシングの嵐が浴びせかけられ,避難所を巡れば被災者からの批判を受けて深々と頭を下げ,各方面からは無能無能と言われながらも,最後まで泣き言の一つも言わず職務を全うした彼の強さには感心する。泣き言を言わない,職務を放棄しない,逃げないという姿勢は実はとても大変なことで,そういう菅総理の一面を評価する人がいてもいいのではないだろうか。
私はこの1か月ほど,仕事に追い込まれて体調不良が続き,いつかの安倍晋三元首相のように具合の悪さが顔に出てしまって,接見に行くと被疑者達から心配されるほどだったけれども,そんなつらい時もスナックのママや友人のマダム達に支えられ,何とかピンチを脱した気がする。

原発の事故が収束しないのは,水素爆発が起きた時から既に決まりきっていたことで,首相の手腕とは関係がないし,他の議員が総理大臣をやっていたら,おそらくもっと早く職務を投げ出して,今頃解散総選挙でもしていたくらいで,到底復興への道筋がつくこともなかったと思われる。
本日の朝刊によれば,公債発行特例法や再生エネルギー特別措置法案も成立の見込み,また地盤改良費を支援するための液状化救済の新法案も秋に臨時国会に提出することになるという。大局的に見れば,スピーディに震災対応に動いたと好意的に評価したい。

テレヴィや週刊誌は,「菅は無能」と批判し,「枝野はよくやっている」「なでしこジャパンとチャン・グンソクは手放しで素晴らしい」と褒めちぎっているが,私は,むしろ菅首相の頑張りをもっと褒めてあげたい。総理大臣の苦労は,AKB選挙で悔し涙を流したあの子や国民栄誉賞を取ったサッカー選手の面々とはくらべものにならないものだ。最近はマスコミだけではなく,「一億総2ちゃんねらー化」と表現したくなるような,「自分のことは棚に上げて,とりあえず批判しろ」という匿名の誹謗をする一般人がネット上であふれている。

個人的には今の日本は「マスコミの幼稚化」という問題があるのではないかという気がしている。すなわち,マスコミが「待つこと」,「よくわからないこと」を我慢することができなくなり,情報が入らなければ,「隠している」,「情報提供が不十分だ」と批判し,拙速な情報提供を煽って不正確情報でも引き出そうとしたり,裏付けを取らずに誤った情報を流したりしている。さらにタチが悪いのは,提供した情報が誤りであったとしても,国民の関心は次の新しい情報に移っているので,十分な訂正措置や謝罪を行わず,また新たな特ダネを見つけたりやバッシングを再開し始める傾向が強いことだ。

そんな平成無責任情報時代だからこそ,これからを生きていくには情報によるバッシングへの打たれ強さが必要になってくる,というのが今日の私の結論だ。
褒められることは少し頑張ればだれでもできるが,批判に耐えることは誰しもができることではない。震災後の菅首相の姿勢から勉強させていただいた。

マスコミ各位におかれましては月末に退陣する菅首相には何卒寛大な論評にてこき下ろして頂けるよう心よりお願い申し上げます。
ということで,編集長,ここは懲役2年でどうすか。

タツゾー

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