2011年を振り返って

来年は辰年のため、辰年生まれですかと聞かれることがありますが、私は辰年生まれではない。
さて、今年は私の生活スタイルもガラッと変わってあまり映画を見に行くことができなくなりました。そのなかで見た数少ない映画の中では、イーストウッドの「ヒアアフター」や、シャブロルの「引き裂かれた女」など感慨深い作品が多かったですが、今年のベスト3本は、

1.イエジー・スコリモフスキ   エッセンシャル・キリング
 本能、理性、優しさ、人間、自然、命、とは何かを台詞なしで見事語り尽くした傑作

2.冨田克也  サウダーヂ
 なんだかムカつくことすげーいっぱいな社会をストリートからリアルに描いた秀作

3.瀬田なつき  嘘つきみー君と壊れたまーちゃん
 大物俳優たちを退ける染谷将太の演技力が圧巻。
 映像、音楽、そして俳優陣、すべてがポップでキャッチーな青春映画

です。
さて本日の日経新聞は2面(社説)より

継続雇用の義務付けは経済の活力そぐ

厚生労働省はこの年末に、企業に定年後も65歳までは希望者全員を継続して雇用することを義務付ける案をまとめた。この法案について日経論説委員は、この雇用継続の義務化により人件費の膨張により若手の採用が抑えられることになり情報サービス分野で活力を失うことになり企業経営に大きな影響を及ぼすと批判している。
私もこの社説には同感であり継続雇用義務付け法案には反対である。
平均寿命の伸長に伴い、60歳という定年年齢が低すぎることになったというのはその通りで、年金の支給開始年齢の引き上げがあるので定年後の就業先を拡充するための就業支援政策を打ち出すべきなのはごもっともであるが、継続雇用義務付けというのは、恐ろしい制度であると断ぜざるを得ない。
この社説で触れられている、欧州財政危機、円高などの企業の経営環境の不透明さが増しているなかの人件費負担の増大という企業経営上の懸念はその通りであり、法律による義務化というのは想像をはるかに上回る負担であろう。私がそれ以上に問題視しているのは、この義務付けが定年まで無事に働き終えることのできた層を対象とした優遇政策であることだ。すなわち、定年後の雇用継続義務化は、もっと光の当たるべき、中途退職者すなわちリストラによる早期退職をした者や期間社員となっている中高年層を保護する内容は一切含まれていない。
この法改正は、これらの者に対して年金支給までの生活を保障しようとするものではなく、たかだか相対的高所得者層を一層保護するものに過ぎない。いってしまえば優先順位の低い問題について何らかの政治的理由で優先的に保護しようとしているものに思える。
この法改正の結果予想されるのは、新規採用の萎縮にとどまらず、定年まで雇用した場合の人件費増大を憂慮し又は高給層の残置による大幅な人件費増により、企業に対しより一層のリストラや、非正規労働者志向を進めさせることだ。あたかも労働者保護に厚い政策に見えるこの法改正は、現在の非正規労働者層や失業者、失業者予備軍に目を向けない政策である。民主党が労組に迎合した政策を打ち出すのは仕方がないといえばそれまでだが、正直もっともっとこの法改正案に反対意見が上がってこなければならない。最近の私の関心事は富の世代間格差にあるが、この改正は、世代間だけでなく雇用上の地位に応じた所得格差を一層広げることになるのは間違いない。
最近の経済情勢は不確定要素だらけで、大学に出ても就職できないことや、地方の失業率の悪化などは、20年前からすれば予想もつかないことだったと思う。そういう意味では、年金支給年齢の引き上げというレヴェルの問題で、定年後も継続雇用を義務付けるというあまりに代償の大きい制度変更をするに値する立法事実と考えたのは間違いではないか。今政府が保護すべきは年金受給が遠のいてしまった定年間近の正社員層ではないことは明らかである。

また、有期労働に関しても雇用期間が5年を超えた場合に本人の申し出があれば無期雇用へ転換させる法案も併せてだされているが、この改正により非正規雇用が減るというのは完全な楽観論であり、この見込み違いの法改正により、施行前に多くの契約切り現象が起こるのではないかと心配でならない。

野田総理や閣僚たちは年末もなくバタバタ仕事していたかと思えば、こんな法案を作成したり、八ツ場ダムの建設再開の予算を付けるなどしていたようで、正直民主党政権には失望してしまった。

さて、そんなこんなで今年ももうすぐ終わりですが、2011年は新年からグルーポンのお節がまずかった話題や、大震災、原発事故、TPP問題、ナベツネ問題などいろいろなニュースにコメントを出してきました。
また今年は日本でもfacebookなどのSNSが爆発的に普及するなどして、私の生活もSNSなしでは考えられないものになった。
個人的には、刑事事件を抱えている関係で年末年始も休みはありませんが、皆様よいお年をお迎え下さい。

なお、私事で恐縮ですが年の瀬に急遽北の将軍が他界されました故、喪中のため新年のご挨拶は控えさせていただきますことご容赦願います。
こんな高橋ですが、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

タツゾー

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